ヴァンパイア映画が好きな話 その3

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piroyaki.hatenablog.com

 

イーサン・ホークEthan Hawke主演、デイブレーカーDaybreakers(2009)。人間が絶滅危機の中、ヴァンパイアが世界を治め、人間狩りに明け暮れる近未来で、科学者のヴァンパイアが血液不足を解決しようと奔走し、元ヴァンパイアの人間(ウィレム・デフォーWillem Dafoe)と出会う。彼はどうやって人間に戻れたのか。人間とヴァンパイアの戦いに終わりはないのか。

 

この記事で初めて真剣にあらすじを書いた。ブレイドやアンダーワールドよりむしろグロいシーンは多い気がしたけど、派手なアクションはなく、ヴァンパイア側から見たストーリーが淡々と続いていく。いやー好きですこういうの。アクションなんてなくて済むなら無くて上等!イーサン・ホークはその昔はやんちゃなティーンアイドルだったけど、今やどんな役でもこなせる実力派俳優の一人。随分と大物俳優になってしまってちょっと寂しいよ。この作品ではもー、チョーかっこいい役です。

 

しかしヴァンパイア映画って、ひねりだせばどんなアイデアでも無限に引き出せるのだなーとつくづく思う。未来、過去、現在を駆使して、いつでもどこでも舞台にできる。ブラム・ストーカーが作り出したドラキュラがここまで進化するとは。

 

今まで観て来た多くのヴァンパイア映画の中でただ一つ、最初から最後までド肝を抜かれまくりだったのが、ぼくのエリ〜200歳の少女 Let the Right One in (2008)。いじめられっ子の少年とヴァンパイアの少女(少年では?と思わせるシーンあり)の交流を通して描かれる周囲の人々との関わりと少女の秘密。スウェーデン映画。

 

何度も見たいとは思わない。見れん!繰り出されるショッキングなシーン、所々訪れる「は?」、見終わった後の虚脱感、怖いし痛いし泣けるし、どうも忙しい。ヨーロッパ映画にありがちな、全体に漂う気怠い、でも心地よい感じはいつもの通り、これに怖い痛いが入って来ると最後は虚脱感しか残らない。好きだわー。

 

しかしアレですよ、作品に出て来るガキどもの、主人公の少年に対するいじめが酷すぎて、いつ彼らにバチが当たるか楽しみに見てましたよ(終盤、蒼白もののバチが待っていた)。 青白い顔、陽の光がダメ、永久に年を取らない、驚異の身体能力、人を襲って血だらけの口。ヴァンパイアってこうだよねー、こうでなくっちゃねーを再認識させる作品。少年にとって幸せな結末なのかどうなのか、見る人が決める作品です。個人的にはハッピーエンドでしょう、と言いたい。

 

ぼくのエリ以降、ヴァンパイア映画は全くご無沙汰。どこかにいい作品ないかな。あったら4に続く