ブルー・アイド・ソウルを聞いてみようの話

ブルーアイドソウル Blue-Eyed Soulとは、元来は黒人が歌うR&B、ソウルフルな音楽を白人が作り歌う音楽のこと。つまり「ソウルを歌う青い目」。青い目じゃなくても白人だったらまとめてそう呼ばれるのは青い目じゃない当人たちはどう思っているのかな、という邪推は置いておき、ブルーアイドソウルのシンガー達のあるある・「曲だけ聞いたら黒人歌手と勘違いされる」声。今でこそネットで検索すればすぐに情報が出てくる便利な時代になったので、CDショップで「え?白人だったの!?」と驚きのリアクション取らずに済む(そんな人見たことない)。

以下、思いつくまま表記してみる。アメリカ産は赤、英国産は緑。

Bobby Caldwell ボビー・コールドウェル

日本ではCMのお陰で曲なら知っている40代以降が大勢いると思われ。「ブルーアイドソウルっておシャレ」を作り出した人。キーワード:パナマハット、ダブルのスーツ、夜のニューヨークビルディング。What You Won't Do For Loveは世界中、凄まじい数のシンガー達にカバーされている。この曲は彼が本家、更に白人だと知らない人はまだまだたくさんいると思われる。知った時の感想はこれ。「え?こんな体の薄い(貫禄のない)おじさん?」。

 

The Style Council スタイル・カウンシル

The Jamのボーカル・ポール・ウェラーがジャム解散後作ったバンド。パンクロックからジャズを取り込んだおシャレR&Bへの華麗なる(いやどう考えても異常な)路線変更はJamファンからは大不評、スタイリッシュサウンド好きからはカリスマ的存在に。ジャンルが大きく異なる極端なファンを持つ稀有なバンド。美しいピアノの旋律とコーラスに震えるIt's a Very Deep Seaは20代の頃の思い出の一曲と言っていいほど聴いた。

 

Ambrosia アンブロージア

70〜80年代に活躍したバンド。90年代に黒人アカペラバンドのTake 6 テイク・シックスが歌っていたBiggest Part of Meはアンブロージアのカバー曲。本家ソウルシンガーらにリスペクトされちゃうサウンド。髭もじゃとロン毛メンズ(言い方)の外見はもろザ・アメリカンロックバンドのそれだけど、そこからは想像もつかない美しい高音とシンセサイザー。このアンバランス、たまらんです。

 

Symply Red シンプリー・レッド

日本では知名度低いわりにはCM曲の採用率高め。「聞いたことある!」という曲多数。ボーカルのミック・ハックネル Mick Hacknall の圧倒的ソウルフルな声。赤い巻き毛のロングヘアーがかっこいいのかそうでないのか未だに分からないけど、そんなことどうでもよくなる声!声!

 

Daryl Hall & John Oates ホール&オーツ

80年代ヒット曲集に必ず入っているバンド。彼らを知らないアメリカ人なんていないんじゃないかってくらいアメリカでは超有名。黒人コーラスグループのAfter 7 アフター・セブンがカバーしたSara Smile。ホール&オーツのカバーだと知った時は驚いた。またまた逆リスペクト。ちなみにダリル・ホールほど外見が完全なブルーアイドソウルはあまりいない。

 

Robert Palmer ロバート・パーマー

どの雑誌だったか、彼こそキングオブブルーアイドソウルだという記事を読んだ。激しく同意。外見が完全なブルーアイドソウルはダリル・ホールだが、ロバート・パーマーは鳥肌が立つほどのパワフルな声にイケメンさが加わり、まさに最強、キングである。中年に差し掛かるに連れてオッサン化が激しくなり、どうしたものかと途方に暮れるも、その声を聞いたらやはりかっこいいわーとなる。2003年に54歳で逝去。早すぎ。本当に早すぎ。合掌。

 

上記に加えて、Swing Out Sister スウィング・アウト・シスター、Jeremy Jordan ジェレミー・ジョーダン(歌手の方です。80年代生まれのミュージカルスターの方じゃないよ)、Rick Astley リック・アストリーなど。George Michel ジョージ・マイケルやBoy George ボーイ・ジョージ。

 

ブルーアイドソウルの魅力の一つは声や音楽と、外見とのギャップだけど、一番は彼らの作るソウルミュージックの質である。本家が持つ感性を踏襲しつつ、独自のセンスをミックスして作り上げるメロディーは、彼らにしか出せない旋律を生み出し、音楽界における一つのジャンルとして確率している。

シンガーのチョイスが80年代に激しく偏っているところはただの個人的な贔屓と、時代が新しくなるにつれて疎くなって行っている故です。あはは