NIGHT HEADの話

深夜に放送されていた豊川悦司×武田真治のテレビシリーズ(92年)及び映画(94年)のタイトルですが。名前と名前の間にバツマークを入れるとデキているような感じに受け取られかねない、けどそんな感じもなきにしもあらずなのは見たことがある人なら頷ける話です。兄弟の設定ですけどね。

 

超能力を持つ兄弟が隔離されていた研究所を脱走し、その凄まじい能力ゆえに様々な事件に遭いながら自分たちの未来を模索するストーリー。この兄弟、明らかに共依存です。でも仕方ない。利用され、身寄りもなく、互いだけが心の拠り所で、特に豊川兄は武田弟を命がけで守る。萌えでしかない。

 

この94年頃、豊川、武田両氏の人気は凄かった。前者は切れ味鋭い目に高身長、長い手足、指(指の長さって女性にはすごく大事)、後者はさすがジュノンボーイ出身の甘〜い顔立ち、細くて小柄な守ってあげたい容姿。フェミ男。正反対の美味しい魅力を兼ね備えた二人は二次元大好き女子(腐女子)のみならず無自覚のプレ腐女子までも生み出した(と思う。)テレビシリーズの二人はいまいち垢抜けないのだが、映画になるとこりゃたまげた、洗練されたキラキラオーラ全開の二次元万歳。個人的には美しい兄弟が悩み苦しみながら一生懸命生きているだけで萌えを十分堪能できるのだけど、ストーリーは小説が原作なので、そこもしっかり作られていてハマる。特にテレビシリーズは良かった。しかも原作者(飯田譲治氏)が映画版では監督を務めている。ただ・・・映画版で思ったのは・・・これって雰囲気映画?だよね。

 

個人的に思う雰囲気映画とは・・・監督が見せたい、撮りたいシーンだけをわんさか盛り込み、ストーリーが置いてけぼりになってしまう映画。もちろん、渾身の見せ場が何度も登場するので、視聴者は凄い映像を見た気にさせられてしまう。監督の意図を汲めない自分の力量もあるのかな・・・。

 

深夜ドラマでありながら、ストーリーの良さと演じる俳優の良さがうまく融合するとここまで成功する、という見本の作品。ストーリーをしっかり知りたい方は小説版かテレビシリーズ版、ただ美しい主演二人を見たい方は映画版をどうぞ。